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キリシタンのあしあとを求めて各地を旅してめぐります♪

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 長崎巡礼一日目 ~島原

  <主な訪問地>
  ★放虎原斬罪所跡
  ★本経寺
  ★獄門所跡
  ★胴塚跡
  ★首塚跡
  ★今富キリシタン墓碑
  ★鈴田牢跡
  ★島原城
  ★島原カトリック教会
  ★今村刑場跡

 長崎に到着♪

長崎は初めてじゃないけど、クリスチャンになってからは初の訪問です。
日本で一番クリスチャンが多いという長崎。キリシタンの史跡も豊富に残っています。
何が見られるのか、何を感じられるのか、心の高鳴りを感じながら、長崎空港に降り立ちます。

ゴールデン・ウィークの長崎は、新緑が徐々に濃くなっていく季節にあたり、レンタカーで街を走ると初夏を思わせる陽光が照り付けます。

 放虎原斬罪所跡

放虎原斬罪所跡

最初に向かったのは、空港からほど近いところにある放虎原斬罪所跡です。 「郡崩れ」と言われるキリシタン弾圧の際、ここで多くのキリシタンが命を落としました。

また日本に潜伏していた宣教師たちが火刑に処せられたところでもあります。碑の裏手には空き地が広がっていて、ここで慰霊祭などが行われるということです。


放虎原のクローバー


住宅街の片隅にあり、どこにでもありそうなこの空き地で131名ものキリシタンが首を切られ殺されたということが、にわかには信じられなくて、困惑してしまいます。
 
しばし佇み冥福を祈ります。


 6メートルもの高さの墓は何を物語る?

本経寺


次は大村藩の歴代藩主の菩提寺、本経寺へ。

広々とした境内。
歴史を見てきたであろう巨木。
悠然と構える堂宇。

歴代の藩主の墓所にふさわしい風格です。
目指す墓所は向かって左手にあります。

大村家墓所の墓石


度肝を抜かれたのは、その大きさ!
大きな墓石だと、6メートル位あります。

ここは大村純忠亡き後、藩主となり棄教した大村喜前が墓所と定めた所。なので、ことさらに大きく建てたのでしょう。

「切支丹なんて全く信じてませんよ。私、日蓮宗一筋ですので!」と猛烈にアピールするために。

クルス燈籠


墓所の一角に「クルス燈籠」と書かれたものがあります。クルスとは十字架のこと。確かに真ん中に十字が見えますね。

しかし・・・幕府の目を気遣い、キリシタンでないことをこれほどまで強烈に主張しているというのに、十字架を刻んで置いておくでしょうか。

たぶん縦横交差した十字を模様の一種として刻んだのではないかと思います。近年は「キリシタン遺物」を珍重する向きも多いので、そういう人を引きつけようとしたでっちあげの物もあるので注意が必要です。

ここの説明板には「可愛い模様だったのではなかろうか」と書いてあるので良心的ですね。


 ここから四ヶ所はひたすら黙祷

これから向かう四ヶ所の所は、いずれも殉教に関連した場所。
重い気持ちになるのを止められませんが、それでも行って見て感じることがあると思うので、ひたすら黙祷を捧げてまわります。

妻子別れの涙石


放虎原で処刑されるキリシタンたちが、刑に先立ってここで妻子と別れの水盃を交わしましたという妻子別れの涙石。

涙が落ちて苔が生えなかったため、涙石とも言われています。

大変見つけにくい場所にあって、住宅街の狭い路地の脇にひっそりと立てられていました。


獄門所跡


放虎原斬罪所で処刑された131人の首が、塩漬けにされ、20日間晒された獄門所跡。

彼らの霊を天国に導いていくような聖母マリアの像が置かれています。殉教は天国への道と言われていますが聖母のお顔は憂わしげに見えます。

広くはないが車通りの多い道筋にあり、当時もそのような往来の多い所で晒し首にされたのだと思うと、死してなお見せしめにする酷さに憤りを覚えます。

殉教した人たちは、自らの首を切った人たちさえも許して旅立ったとは思いますが、それでも悲憤がこみ上げてきます。


胴塚跡


キリシタンは死んでも蘇ると言われていたので、復活を恐れた人々は首と胴体を切り離して埋めました。

ここは胴体を集めて埋めた胴塚跡です。

非信徒は「死んだ者が蘇る」「復活する」ということを聞きかじりながらも、意味はよくわからなかったのでしょう。肉体の首と胴を切り離しても、それとは全く関係ないことだというのに。

天を見上げる信徒の清らかさに打たれます。


首塚跡


胴塚より500メートルほど離れた場所にあります。
こちらの像はうつむいて祈っています。

斬首される時の信徒たちは、自らの首を刑吏の前に差し出し、祈りながら刀を受けたと言われています。
彼らの口元から「主よ、私の霊を受け取ってください」と言葉が聞こえてくるような気がします。

この4つの史跡は、いずれも見つけるのが本当に難しいような所にあります。

地元の人ならいざ知らず、飛行機でやってきた者にとっては、入っていいのかどうかも迷うような道の奥にあったりしました。それでも目指すところすべてに行けたのは、導きあってのことだろうと、とても感謝しました。


 大村のディープな史跡

空港に着いてから早2時間。車でぐるぐる回ったので、少し大村の街が体になじんできたような気(錯覚?)がします。錯覚かもしれませんが、それを信じてもう少し車で足を伸ばしてみようと思います。実は今日の予定、まだ半分も済んでいないのです。そろそろお昼ですが、空腹を無視してGO!

今富キリシタン墓碑


市街地から山の方に入っていき、「あれ、道間違えたかな?」と引き返す道を探しているうちに標識を見つけて、ようやくたどり着くことができた今富キリシタン墓碑。

新しい道路ができていて、住民にとっては便利なのでしょうが、ナビに載っていないので少し恐怖でした(ナビの表示では畑や川の上を通ってました;;)

キリシタン墓碑の典型であるかまぼこ型の石を、禁制の世になったために子孫がそれを立てて、長方形の仏教式の墓石に見えるようにしたものです。上部を覗き込むと、特徴ある十字架が刻まれているのがわかります。高貴な人のお墓のように感じました。


大村史跡公園


日本初のキリシタン大名 大村純忠の居館があったところに建つ大村純忠史跡公園。大村純忠はキリシタン迫害の悲惨さを見ることなく、ここにあった屋敷で生涯を終えました。

今は市民の憩う公園となっています。

ここには宣教師に日本のことを教える坂口語学校もありました。

大村純忠終焉の地


大村純忠が住んでいた館の跡がわずかに残っています。澄んだ水が流れていて林のような雰囲気です。

公園内の東屋では近所の高齢者がトークを楽しんでおり、門の外の高架下には休憩中のトラックが。

時が流れて、すべてが過去になったのだなと感じます。


大村市立図書館・史料館


大村市の図書館の二階が大村市立史料館になっていて、キリシタン時代の遺物などを展示しています。

スペイン製の大型メダイ「無限罪の聖母」や原口郷から出土したキリシタン墓碑(保存状態がとてもいいので芸術品のよう)を見ることができて、感動でした。

天正夢広場


天正夢広場は図書館の隣にある小さな公園です。
中央のモニュメントには天正少年使節の銅版がはめられていて、時間になると塔の上に人形が動き音楽が流れます。

空腹もピークに達したので、コンビニでサンドイッチを買いベンチで・・・と思いましたが、日差しが強いので駐車場に停めた車内でランチタイム。やっぱり九州って暖かいんだなー☆


 鳥籠のような鈴田牢

大村の市街地を抜けて郊外へ。左手の小高い山に真っ白な十字架が見えてきました。鈴田牢のあった場所です。ここには昔、鳥籠のような狭い牢がありました。

鈴田牢跡に立つ十字架


1617年から1625年まで、外国人宣教師ら30数人を閉じ込めていた牢屋跡です。

牢屋といっても現代の私たちが想像するものとは全く異なります。広さは6.6メートル×4.6メートルの鳥籠のような狭い部屋に30人もの人が押し込められたので、横に寝ることもできませんでした。

体の大きい外国人宣教師たちにとって、どれだけ狭く苦しく、長く続く責め苦だったでしょうか。

排泄もそこでするしかなく、衛生的にも極めて悪い状況でした。病気になり死ぬ者も多く、生きている者もここを出て行く時は、死に臨む時でした。

鈴田牢からの景色


私が鈴田牢について初めて知ったのは、遠藤周作の「沈黙」ででした。

宣教師らが入牢していたときも空はこんなに青く晴れ渡ることがあったのでしょうか。こんな空を、彼らはどんな気持ちで眺めたのでしょう。

落ちていたどんぐり


周辺に住む人への配慮なのか、解説板などの表現は抑え気味で、当時の様子を生々しく伝えてくれるものはありません。

牢の跡に落ちていたどんぐりを見ていたら、手放しでわんわん泣きたい気持ちになりました。
こんなことは初めてです。


 これから島原まで行くんですか?

もう十分一日分の観光をしたと思いますが、長崎なんてそう簡単に何度も来れるところでもないので(そうでもない (´▽`)?)、もう少し頑張ります(頑張るのは主に夫ですが)。

目指すは島原城!
日が傾いて来たので明るいうちに着けたら恩の字です。
渋滞にひっかかりませんように! さあ、出発☆

島原城


おっと、もう着きました! 意外と近いです。(本当は1時間以上かかりました)

幸いお日様はまだ天空にとどまってくれていたので、写真もばっちり撮れました。でも・・・コンクリートで真っ白に再現されたお城って、ちょっと趣に欠けますね。

昔のように木で造って、燃えて無くなったらおしまいだから仕方ないんでしょうけど。島原城は島原の乱の原因になった城。ここの藩主が身の程以上の立派な城を建てようとしたために、重税が課せらたのです。

税を払えない者を蓑で簀巻きにして火をつけて拷問し、もがき苦しむ様子が踊っているようだと「蓑踊り」と呼びました。

このような藩主の圧制に抗して起こされたのが島原の乱なのです。

島原城天守閣からの眺め


「乱のきっかけになった城なんて入ってやんない!」と思いましたが、内部にキリシタン関係の史料があると聞き、仕方なく入城。

内部もコンクリートで味気ない感じです。
(藩主憎けりゃ城まで憎い、かな? いえいえ、何も憎んじゃいけませんね)

キリシタン遺物の宝庫


批判精神まるだしで、「大したことないだろう」と思って入りましたが、中のキリシタン関係の展示は素晴らしかったです。正直驚きました。お城の一つの階がまるごとキリシタン史料館になっていて、キリシタン遺物の充実度もさることながら、展示の内容も濃くて、一日いても足りないくらいでした。

中には「本当に当時のものかな?」と疑わしいものもありましたが、こんなにたくさんのマリア観音像やキリシタン遺物を一挙に見られる所を他に知りません(私が無知なだけというウワサもありますが)。
結局閉館時間ギリギリまでいて、涙と鼻水でハンカチ一枚をぐしゃぐしゃにして、お城から出てきました。
つまり・・・「行ってよかったです」

自分の狭い考えや偏見で物事を判断しないで、訪れるところに対して素直な気持ちで(これを神様が私に見せて下さろうとしているんだと)、旅する姿勢が大切だなと思いました。はい、反省です。

後で考えたことですが、キリシタン迫害の原因を引き起こした島原城が、今では豊富なキリシタン遺物をその中で展示して、それによって集客していること自体、証ではないかと思いました。最初は「皮肉なもんだ」と思いましたが、よくよく考えるとそれも証なのだと。違うかな~?


島原半島殉教者記念聖堂


島原城周辺の観光地っぽい所を抜けて市街地をしばらく行くと、この教会が迎えてくれます。

島原半島で殉教した人たちを顕彰した小さいけれど美しい島原半島殉教者記念聖堂。

目に入ってきた時、何かホッとしました。中に入るとシスターが話しかけてきてくれました。訪ねて来ただけなのに、優しくねぎらってもらい、うれしかったです。

やはり人との出会いがすべての印象を左右しますね。写真を撮ってもいいかと尋ねると、「いいですよ」とのこと。感謝です♪


 よし、今日のラストだっ!

早朝に東京を立って、レンタカーで回って、泣いたり笑ったりの長い一日が、日暮れとともに終わろうとしてしています。最後の目的地は今村刑場跡。
教会からはそれほど遠くないと思われますが、そこに行ったことがある人のHPには、かなり見つけにくいと書かれていました。お祈りしてラストスパートです☆

ハプニング?


「あ!えっ・・・? 今の何!?」
車がガンガン通る狭い道。周りは民家というシチュエーションで、ヤギを連れた若者がこちらに歩いてくる・・・。

いたって普通な様子で、平然として、自然なことですみたいな感じで。思わず、道の反対側に出ていたこの標識を見逃すところでした。

「あ、ここだよ! ここ」と車を寄せてもらっているうちに、若者は通り過ぎていったので、何も聞けず、謎が謎のままになってしまいました。あのヤギはペットだったのでしょうか? 結構大きいヤギでしたが・・・。

今村刑場跡


案内板の脇の小道を進んで行くと本日最後の目的地、今村刑場跡がありました。

仏教式の小さな供養碑と説明板がおかれているだけで、確かに見過ごしてしまいそうな所です。
 
碑の前には猫の額ほどの小さな空き地があり、防草シートのようなものが張られているのですが、それさえ覆うような雑草が。

荒れた空き地のような刑場跡


今村刑場では江戸時代イタリア人宣教師ピエトロ・パウロ・ナヴァルロの火刑を始め、多くのキリシタンが処刑されました。
 
又処刑された人を医学の発展のために腑分けに(解剖)し、その図面は島原城の資料館に展示されています。島原城で見た解剖図が、こことつながってリアルに目の裏に浮かびました。


一日を終えつつ・・・


どたばたな一日でしたが、初めての街で事故もトラブルもなく過ごせて感謝。
今夜のお宿は諫早のニューステーションホテルです。あ、その前にレンタカーを返却しなくては。 

諫早駅はほどよく賑わっている街で、駅前の商店も充実してます。
駅から徒歩1分ほどにある、地元の人が利用しそうなお店でちゃんぽんと皿うどんを注文。
ちゃんぽん&皿うどん(具がまったく同じなのはご愛嬌?)











今夜はよく眠れそう・・・。
感謝感激でぐっどないと (*´○`*)あ(*´ー`*)い(*´△`*)う(*´0`*)え(*´◇`*)ノ~おやすみ♪



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